県境を歩いて跨ぐ、大人の栗駒名湯巡り!pH2.2の酸性湯ハシゴと身体に染みる仙人水の実力

小安峡で「熊肉」と「猪肉」を食し、お得な「みずの実」などを仕入れ、ホクホク顔でハンドルを握ったG-3一行。国道342号の険しい道をぐんぐんと登り、やってきたのは岩手と秋田の県境、標高1,100メートルを超える雲上の須川温泉です。
今回の主目的は、東北屈指の強酸性泉を味わい尽くす名湯ハシゴ。 しかし、紅葉と登山シーズンの週末という戦場に飛び込んだ私を待っていたのは、大混雑の洗礼と、初見殺しの入湯券トラップでした。実走・実入浴したからこそわかる、現場のリアルな息遣いをお届けします。
【須川知らぬは生涯の損】と言わしめられた最高の湯を堪能し紅葉色づく栗駒山を露天風呂から一望する絶景【神の絨毯】を果たして見ることが出来るのか!?
満車寸前の須川高原温泉と、まさかの「大広間券」トラップ
車を停めた瞬間、肌を刺すような高山特有の冷気と、ツンと鼻を突く濃厚な硫黄臭が出迎えてくれました。 頭上にはどんよりとした厚い雲(天気予報では晴れだったのだが・・・山と秋空ではどうにもならないか・・・)。
栗駒山荘に辿り着いたものの駐車場はパンパン状態。。。どう見ても停められそうにない・・・
更に車を進めて須川高原温泉前の大駐車場へ。
大駐車場は県内外ナンバーの車やバイクで埋め尽くされ、温泉はもちろん、登山ツアー客も多く訪れている様子で誘導員さんが大忙しで誘導中です。


(紅葉シーズンの須川高原温泉駐車場。厚い雲の下、満車寸前の激戦区でした)





(下側に本日のお目当て須川高原温泉と栗駒山荘の入浴共通券1700円の記載があります!)

(館内ロビーの記念看板。「ようこそ 岩手・栗駒山 須川高原温泉」の日付が旅情をそそります)

ここで、さっそく今回の旅一番のハプニングが発生。
須川高原温泉(岩手側)と栗駒山荘(秋田側)の2大名湯をハシゴしようと、フロントへ進み「共通券をください」と購入。
フロントのスタッフの方が「はじめてのご利用ですか?」と尋ねてきたので「はい!」と元気に答え、お支払い。1700円と思っていたのですが1600円と100円安い。「あれ?今日は安いのかな?」とフト思っていたところ「大浴場、中浴場、露天風呂の全て入れて大広間もお使い頂けます」「露天風呂のフロントがいない場合は券を入れるところがあるので券を入れて入ってください。」
なるほど、全ての温泉に入れて大広間まで利用出来て栗駒山荘も利用出来るとは・・・間違い無くお得だ!時間が足りないぞ~と喜び、まずは大浴場にしようか中浴場にしようか、いや待てよやっぱり露天風呂がいいかな~などと話していたところ、栗駒山荘にはどうやって行って利用すれば良いのか?問題が浮上。
ここはやはりフロントの方に聞くのが一番ということで聞いてみると、「栗駒山荘との共通券では無い」とのこと・・・。
手渡された緑色の紙片をまじまじと見て、思わず固まりました。
「・・・お、、大広間券・・・?」

(手元にやってきた「大広間券 1,600円」。共通券(1,700円)ではなかった・・・)

(フロント脇の料金案内。「大広間休憩/入浴共通券」と「山荘共通券」が並ぶ初見殺しの並び)
栗駒山荘とのハシゴ券(山荘共通券 1,700円)を買ったつもりだったのが、須川高原温泉の大広間休憩+入浴ができる「大広間券/入浴共通券(1,600円)」を間違えて買い求めてしまっていたのです! フロントに置かれた料金表を改めて見ると、大広間利用と共通券の案内が記載されています。
須川高原温泉の3つの温泉を楽しみ大広間を利用出来る魅力はあるのだが・・・しかし、栗駒山荘の露天風呂は捨てがたい!
フロントの方も、料金を払ってもらえれば変更可能とのことで追加料金を支払い「山荘共通券」に変更して頂きました。
ただし、須川高原温泉の大浴場または露天風呂のどちらかの利用になるとのこと。
ここはやはり名物の大露天風呂「大日湯」に決定し外へ向かいました。
【今回の反省点】
- 当初は栗駒山荘で共通券を購入し須川高原温泉に行く予定だった
- 須川高原温泉入口の立て看板にある共通券の情報しか見ていなかった
- まさか「山荘共通券」と「入浴共通券」があるとは知らなかった
- フロントの価格表を良く見ていなかった
- 購入時に「栗駒山荘」でも使える共通券を下さい。というような言い方をすれば良かった
- 価格が違う時点で気づくべきだった
など反省点が多くあります。
是非、皆さんもご注意くださいね!
恐らく栗駒山荘で購入する場合は大丈夫かとは思うのですが・・・
(すっかり山荘共通券の写真を撮り忘れました・・・残念。)
湯の川を渡り、pH2.2の白濁露天「大日湯」へ突入
大露天風呂「大日湯」は宿の建物から一度外に出て、緩やかな坂を下った先にあります。 足元に目を落とすと、建物の脇を掘られた側溝を、青白く濁った熱い温泉がもうもうと湯気を上げながら滔々と流れていくではありませんか。

(建物の脇を流れる側溝。川のように熱い源泉が豪快に流れていきます)






(大日湯の入口。紫の「ゆ」ののれんをくぐっていざ番台へ)

(入口に掲げられた温泉分析書。驚異の「pH値 2.2」が眩しい完全源泉かけ流し)
脱衣所を抜けた先に広がるのは、木塀に囲まれた木造りの湯船!
視界が悪くハッキリとはわかりませんが恐らく30人くらいは入っていたと思うので、それでもかなりの余裕があり100人でも入れそうな広大な大露天風呂です。
この日は小雨混じりの天候だったため、冷たい風と温泉の湯気がもうもうと沸き立ち、濃厚な温泉蒸気がぶつかり合い、視界は一面真っ白。
数メートル先もおぼつかない幻想的な湯気のなか、湯船に身体を沈めると、じわじわと身体の芯へ温かみが染み渡っていきます。「ぬぐだまる(温まる)」とはまさにこのこと。
腰をかける椅子座が全面に張り巡らされており半身浴も楽しみ極上の湯浴みでした。
これだけ広大な大露天風呂はなかなか味わえません!


鳥居と祠が祀られた「共通の源泉地帯」と、大渋滞による大人の撤退判断

大日湯でしっかり温まったあと、湯小屋を出て右手側の小高い丘を散策してみました。 実は、この朱色の鳥居と石祠が祀られている場所こそが、須川高原温泉と栗駒山荘の双方が引いている「源泉」そのものです。


(もうもうと立ち込める蒸気の中に浮かび上がる朱色の鳥居としめ縄)

(石祠のすぐ近くから、毎分6,000リットルを誇る白濁の源泉が轟音とともに湧き出しています)
お賽銭を入れて手を合わせ、素晴らしい湯に巡り会えたことに感謝をし一礼しました。

(おそらくここが源泉)

(荒々しい岩肌を這う無数の黒い送湯パイプ。まさに温泉の心臓部です)
大地のエネルギーを間近に感じたあと、「蒸し風呂(おいらん)」方面へも足を伸ばそうと登山道へ進んだのですが、ここでハイカーの長い列に行く手を阻まれました。



(登山道は色とりどりのウェアを着た登山客で大渋滞。ここは無理せず引き返すのが大人の流儀)
細い山道をごった返す人波を見て、「ここは無理をして突っ込む場面ではないな」と即座に判断。潔く踵を返し、徒歩で秋田側の栗駒山荘を目指すことにしました。




県境を徒歩で跨いで「栗駒山荘」へ!同じ源泉、異なる極上リゾート
須川高原温泉の売店を少し覗いたあと、道路沿いを歩いて秋田県側へ向かいます。 道路上には「秋田県 東成瀬村」の青いカントリーサイン。徒歩で県境を越えるというのも、なかなかオツなものです。

(県境の標識。ここから秋田県東成瀬村。足元には仙人水の案内看板も)

(栗駒山荘の手前に佇む、骨董屋さんのような不思議な民芸・地酒店)

(栗駒山荘が見えてくる。駐車場は相変わらず車がびっしり。歩きで正解でした。)

(山岳リゾートの品格を漂わせる、太い木組み屋根の栗駒山荘エントランス)



昔ながらの湯治場情緒を色濃く残す須川高原温泉に対し、栗駒山荘は木組みの梁が美しい洗練された近代的高原リゾート。 同じ源泉を引いているにもかかわらず、建物の設えや浴槽の空間デザインによって、全く異なる温泉体験へと昇華されています。





(大浴場入口の暖簾。シックな空間を抜けて2湯目の白濁湯へ)

果たして露天風呂から紅葉の絶景【神の絨毯】を拝むことは出来るのか?と期待に胸を膨らませつつ温泉へ。早速露天風呂に行ったものの、、やはりあいにくの雨雲でスッキリとせず近い山々の紅葉は見られるものの遠くまでスッキリと見晴らせる状態では無い。。。ですが、しっかりと紅葉は楽しめる。そして、この露天風呂はやはりいい。多くの場合は塀や囲いなどで仕切られていることが多いですが、そのようなものは一切無く直ぐ目の前に景色が広がる解放感がたまりません!これぞ露天風呂の醍醐味!じっくりと浸かり火照った体にひんやりとした外気を浴びてを繰り返し最高のひとときを楽しめます。内風呂は露天風呂より一段高いのでガラス張りの窓から見る景色はまた格別。ついつい長湯をしてしまいましたが至福の時間を十二分に堪能し湯を後にしました。
今回の目的である【須川知らぬは生涯の損】と言わしめられた最高の湯を堪能することが出来て、紅葉色づく栗駒山を露天風呂から一望する絶景【神の絨毯】をとりあえずは見ることが叶いました。(秋の空、山の天候ばかりはどうしようもない・・・と自分に言い聞かせる)


(大広間「仙人の間」。太い梁が組まれた大空間と、大窓から見渡す湿原パノラマが圧巻です※有料)
お風呂を満喫したあとは、開放感抜群のテラスや売店をのんびり散策。名物のくるみ大福や比内地鶏プリンなど、秋田の旨いものがずらりと並んでいました。




(売店に並ぶ御当地ならではの商品は見ているだけで目移りしてしまいます)


(雨上がりのテラス席。雲の合間から広がる須川湿原の草紅葉が実に鮮やかでした)



栗駒山荘も十分に堪能し、名残惜しさが残るものの紅葉を脇目に須川高原温泉の大駐車場へ歩いて戻ります。
須川ビジターセンターで歴史を辿り、最後は喉を潤す名水「仙人水」へ



栗駒山荘を出る頃には、先ほどまでの曇天が嘘のように青空が広がり始めていました。 車へ戻る前に、駐車場に隣接する「須川ビジターセンター」へ立ち寄ります。

(青空の下に佇む木造ロッジ風の「須川ビジターセンター」)

(かつて仙台藩と秋田藩を結んだ古道「院内街道」の解説看板)
館内には高山植物や動物の剥製のほか、かつて旅人や湯治客が往来した「院内街道」の歴史が展示されており、この過酷な峠道が古くから人々の生活と結びついていたことを学べます。


そして、この日の締めくくりとして車を走らせたのが、国道342号を少し下った標高900メートル地点に佇む名水「栗駒仙人水」です。

(国道沿いの斜面に鎮座する栗駒仙人水。赤い鳥居と石積みが目印です)

(水質検査結果。硬度9mg/l、pH6.2という極めてまろやかな超軟水)



(2本のパイプから滾々と注ぎ出る清冽な湧き水)


(岩の祠に祀られた立派な髭の仙人像。旅の無事と山の恵みに感謝し手を合わせます)
手ですくって口に含むと、驚くほど冷たく、舌の上でスッと消えるようなピュアな喉越し。 強酸性の濃厚な湯で火照りきった身体に、この清らかな軟水が染み渡る瞬間は、まさに「五臓六腑に染み渡る」という言葉そのものでした。空のペットボトルにもしっかり汲ませていただき、大満足で山を下りました。
道中、歩いて下山する人が複数名チラホラと。。。どこまで行くのだろう?と不思議に思っていましたが、恐らく「須川湖」でキャンプをしている人では?と気づく。栗駒山を登山し、温泉に浸り須川湖でキャンプするというアウトドア派には、このうえ無い最高のパターン!そうか、その手があったか!一度はチャレンジしてもいいかな?と思いつつ帰路に就く。
■ 施設基本情報&利用データまとめ
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| 施設名・スポット名 | 須川高原温泉 / 栗駒山荘 / 須川ビジターセンター / 栗駒仙人水 |
| 所在地 | 須川高原温泉:岩手県一関市厳美町祭畤山国有林46林班ト 栗駒山荘:秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字仁郷山国有林(栗駒国定公園内) 仙人水:秋田県雄勝郡東成瀬村(国道342号沿い・標高900m地点) |
| 営業時間・定休日 | 須川高原温泉 大日湯:6:00〜21:00(最終受付20:30) 栗駒山荘 温泉入浴:10:00〜16:30(最終受付16:00) ※冬季(11月上旬〜4月下旬頃)は国道342号冬期通行止めに伴い休業 |
| 料金・メニュー価格 | 須川高原温泉:大日湯/須川の湯 各大人900円、大広間休憩(入浴込)1,600円 栗駒山荘:大人1,000円、大広間休憩1,600円 山荘共通券:1,700円(両館に入浴可能) 仙人水:無料(賽銭箱への協力金推奨) |
| 駐車場・アクセス・路面状況 | 須川高原温泉・ビジターセンター大駐車場(無料・数百台規模)。秋の紅葉・登山シーズンは満車・渋滞頻発。国道342号は急勾配・急カーブが続くためスピード控えめ推奨。 |
■ 🎖️ さすらいG-3の総括スペック評価
| 評価項目 | 評価(★5点満点) | 寸評・リアルなポイント |
|---|---|---|
| 泉質・インパクト | ★★★★★ | pH2.2の強酸性・完全源泉掛け流し。白濁湯の湯力は東北屈指。 |
| 景観・ロケーション | ★★★★☆ | 標高1,100m超の絶景。小雨でも立ち込める白煙と荒涼とした岩肌の迫力満点。 |
| 施設の居心地 | ★★★★☆ | 湯治場情緒の須川とリゾート感の栗駒山荘、対比が面白い。休憩室も広大。 |
| 混雑度・立ち回り難度 | ★★☆☆☆ | 紅葉期の週末は駐車場・登山道ともに大混雑。無理な深追いは禁物。 |
| 名水・アフターケア | ★★★★★ | 強酸性湯上がりに飲む仙人水(硬度9mg/l)の清冽さは至高の体験。 |
- 【総合満足度】:4.5 / 5.0
- 【一言総括パンチライン】:入湯券を間違えても、山道が混んで引き返しても、湯上がりに飲む冷たい仙人水がすべてを洗い流してくれる。
■ 次回予告
湯煙が立ち込める須川温泉の紅葉色づく山々を後にし、名水「仙人水」で喉を潤したところで、今回の日帰りハシゴ旅の全行程が無事に終了となりました。
さて、これまで3回にわたってお届けしてきた【羽後町・小安峡・栗駒山(須川温泉)】のドライブレポートですが、次回はいよいよ全体の「総まとめ記事」を公開いたします!
移動のタイムスケジュールから実走ルート、立ち寄りスポットの回り方、かかった費用や大人の立ち回りノウハウまで、1日を無駄なく満喫するための完全周遊ガイドとして1本に凝縮してお届けします。
次回、「【羽後〜皆瀬〜須川温泉】紅葉と秘湯ハシゴの日帰り完全周遊ドライブ!総まとめ記事」をどうぞお楽しみに!
■ 連載リンクボックス
🚗 【秋田・岩手県境】紅葉の栗駒山と名湯ハシゴ旅!(全4回連載)
- ▷ 第1回:道の駅うごの熱気と小安峡大噴湯の地響き!絶景足湯と「そば食べ歩き券」ゲットの巻
- ▷ 第2回:たむら屋の絶品「猪&熊煮込」に驚愕!大粒みずの実爆買いと須川への道
- ▶ 第3回:「須川知らぬは生涯の損」!須川高原温泉の巨大露天&栗駒山荘の絶景湯ハシゴ制覇(本記事)
- ▷ 第4回:【羽後〜皆瀬〜須川温泉】紅葉と秘湯ハシゴの日帰り完全周遊ドライブ!総まとめ親記事



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